うそ、ほんとう

一年間カナダにいたとき、感情を表に出すということを学んだ。

日本にいると、人前で泣くのは恥ずかしかったり、褒められても謙遜した態度を取ったり、怒っていてもできるだけ感情を表に出さずにいた。本心とは裏腹な態度をとっても相手が気持ちを汲んでくれる事が多かったが、海外ではそうはいかない。言語がつたないうえ、気持ちとは違う態度をしめしたら、相手は混乱する。この子は褒められても嬉しくないんだ、と思われ怪訝な顔をされる。

だからストレートにいくしかない。

悲しいときは泣き、感動したときも泣く。怒るときは遠慮なく怒った。自分の感情をストレートに表現する事は、自分の好き、嫌いをはっきりさせることでもあり、自分がどんな人物なのか相手に示すことだ。嘘がない自分はなんだかとても気持ち良かった。

日本に帰ってきて数年経つ。
元の生活に戻り、すこし忘れかけていたように思う。
改めて、自分の気持ちに嘘がない自分になろうと思う。

自分の好き、嫌い、をはっきりさせる。
そして、それはなぜかと考える。
生き方はその積み重ねで決まってくるものではないでしょうか。