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空櫁 soramitsu 日々 blog

棕櫚の歴史

和歌山県北西部の野上谷はかつて棕櫚の一大産地でした。
14世紀頃、棕櫚の栽培が始まったといわれ
19世紀初めには加工品が全国で売られていました。
野上谷には棕櫚を栽培する棕櫚山があちこちで栽培され
何世代にも渡り、職人たちが手をかけ棕櫚を育て
上質の棕櫚皮を採取していました。


日用品だけではなく弾薬箱の手縄など軍用にも使われる様になり
急激な需要の拡大から国産の原料が不足
中国産の棕櫚や東南アジア産のパーム(一般的なたわし)に代用されてゆきます。
戦後はナイロンなどの化学繊維が登場し
棕櫚のたわしや箒はその姿を消してゆきました。


そして青々と美しかった棕櫚山は放置され
荒れるにまかせたままになりました。




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*のどかな風景が残る野上谷。棕櫚の木もあちらこちらにあります。
by askagoi | 2013-06-16 10:08 | ものづくり | Comments(0)